物件探し・内装工事
開業支援業者が代行してくれるサービス、歯科医院の物件探しと内装工事について、ここで紹介します。
物件探しの基本の考え方
歯科医院の新規開業にとって、立地選定・物件選定は非常に重要な要素です。開業支援業者では、その歯科医院の周辺の状況を「診療圏」と呼んでおり、どのくらい集患が見込めるかということを、住宅地や住人層、または付近の商業施設や強豪相手の有無などから判断しています。
立地は、開業してから動かすことができず、改善するのが困難な項目です。良い立地物件を見つけても、現状だけでなく、将来の動向の把握をおこなう必要があるでしょう。
ちなみに、南関東(東京・千葉・埼玉・神奈川)は歯科医院の密集地域ですが、少し郊外に足を延ばし、北関東にいくと競合の条件が少し緩和されます。土地建物も含めてどうしても新規が良いという場合は、群馬県などの郊外を検討しても良いでしょう。
物件の種類について
【新規と居抜き物件】
新規物件とは、文字通り全てイチから作り上げる物件のことです。建物を建てる場合もあれば、ビルテナントとして入居する場合もあります。この場合、非常に開業資金がかかり、多くの場合は1億円前後にまで予算が膨らみます。
また、設備上、歯科医院に不向きだったり、使用できる電力量が不足しているといったこともあるので、医療向けとうたっていないテナントに入る場合は特に注意が必要でしょう。
居抜きとは、以前歯科医院として利用されていた場所を再利用することです。再利用とは言っても、内装のリフォームや機器の入れ替えなどを行うため、開業時には患者さんの多くが「新しい歯科医院ができた」と感じるはずです。
居抜き物件の良い点は、医療設備や内装が残されたままの譲渡であるため、開業資金が新規物件の半分程度で済ませられる点です。親や親族類からの継承物件がなくとも、これらの物件を活用すれば無理のない開業が可能になります。
逆に、注意しておきたいのが、以前その場所で開業していた歯科医院の評判です。「あの角の歯医者さんはヤブ医者だった」と言った悪評が広まっている場合は、いくら立地がよくても印象をひっくり返すのに時間がかかりますので、十分な注意が必要です。
【商業施設や医療モールへの参加】
予算を抑えつつ開業したいという方には、商業施設や医療モールへの参加という方法もあります。ショッピング施設や内科整形外科など競合しない業種と一緒に開業することで、集患力が期待できるだけでなく、横のつながりもできるようになります。
また、商業施設の場合は、買い物に来るお客様だけでなく、働くスタッフの利用も期待できるなど、良い条件が揃っているように思われます。
この場合の注意点は、テナント料が高くなりがちなことと、ブランドへの参加で「雇われ院長」と変わらない状態になってしまうことです。資金を貯めて転出しても、ブランドが違うことでイチから集患をやり直すケースもあるようです。院長としての実績は積めるので、まずは開業の勉強をしたいという方にはお勧めかもしれません。
内装は専門業者がおすすめ
そして、物件が決まると内装デザイン設計や工事が始まります。新規開業の際はついついデザイン性の高さやスタッフルーム、院長室の充実などを考えてしまいますが、開業を成功させたいなら、「診察室の動きやすさ」を検討することが重要です。
多くの物件を下見すると、機器が入っていないこともあって空間が広く感じます。けれども実際はさまざまな大型機器を導入すると、診察室がいっぱいになってしまうことも多々あります。まずは、自分が行う治療を考え、導入する機器を検討しながら内装を考えましょう。
今回紹介したウスイデンタルでは、医療機器の販売メーカーだけではなく、歯科医院に特化した内装デザイン会社とも提携しています。歯科医院を専門としているだけあって、医師やスタッフの導線、導入した医療機器の大きさを考慮した、使い勝手の良いデザイン設計にしてくれるようです。
これらの業者を上手く使うのも、成功への近道と言えそうです。